ギャンブル依存のリスクがある人とは?
いくつかの研究では、薬物使用による中毒同様、ギャンブルも特定の遺伝的傾向がある人が依存症になりやすいことを示しています。これらの遺伝的傾向には以下のようなものがあります。
- セロトニンレベルの低い人
- 衝動的な傾向のある人
- すぐに報酬を得られる活動を求めている人
- 長期的な結果を考慮しない傾向がある人
一部の研究では、ギャンブル依存になると実際にセロトニンレベルが低下することが示されており、これによって一般的な活動に対する関心の欠如、またはそれらの活動に対する快楽の欠如が現れます(精神保健の領域では「快感消失」として知られています)。この状態での回復策としては、脳内のセロトニンの量を増やす活動を促し、追加の刺激なしで他の人が感じるのと同様の幸福感と喜びを取り戻す訓練をしていきます。
他の研究では、ギャンブルや薬物依存になる人は、衝動的に決断し即座に報酬を得られる活動を求める傾向があることが遺伝的に示されています。これらの研究は、自分の行動や衝動をコントロールして、自らの行動がどんな結果を招く可能性があるかを考える脳の部分が不活発なため、短絡的な行動に人々を走らせるという証拠を提示しています。
他の依存症と同様、病的なギャンブルは複雑な障害です。多くの原因がその症状の発展に貢献しています。以下は、ギャンブル依存に対する危険性を高める可能性のある、最も顕著なリスク要因の一部です。
年齢
調査によると、35歳未満の人々がギャンブル依存になりやすい傾向があります。この理由の1つとして最も可能性が高いのは、若年層はより新しい刺激を求める傾向があり、年配層より衝動的に行動する可能性が高いという事実です。
若者は強迫的ギャンブルに陥るリスクが高いですが、高齢者も例外ではありません。シニアギャンブラーは、孤独や不安などの感情を和らげるためにプレイする傾向があります。さらに、今では高齢者もギャンブルサイトやアプリを介して広く賭けにアクセスできるようになり、快適な自宅で依存症を発症するケースも増えています。健康面の問題も、高齢者の強迫的なギャンブルに影響しています。認知症や認知障害などにより、高齢者が賭けをする際の合理的判断が難しいためです。
さらに、カジノや認可されたゲーム施設は、特に年配層のギャンブラー向けに特典を提供していることが知られています。たとえば、多くの場所では、高齢者に無料の交通手段、食事料金の割引、または無料の飲み物などを提供しています。これらはすべて、特に固定収入で生活している人にとって魅力的です。また高齢者向けの組織的なバスツアーは、社会的に孤立したり、配偶者を亡くしたり、離婚したりした人々にとって非常に魅力的な催しです。ツアーは、娯楽と人々との交流を提供してくれます。
性別
ギャンブル依存は主に男性の問題であると見なすことは珍しくありませんが、実は多くの女性もギャンブル依存に苦しんでいます。専門家によると、ギャンブル中毒者の3人に1人が女性であると推定しています。女性は男性よりも依存の問題を発症する割合がやや低いですが、男性の依存者より高年齢で発症する割合が高いようです。
まずは個人、家族、医療専門家が女性のこの状態を認識して対処することが重要です。調査によると、多くの場合女性は最初にベットを開始してから1年以内で依存の問題を発症し、ギャンブルにすぐに夢中になるということを表しています。対照的に、男性がギャンブル依存になるには平均4年かかります。これは、ギャンブルの問題を持つ女性が、できるだけ早く治療を始めることの重要性を強調しています。
メンタルヘルスの問題
特定の精神障害がある場合、ギャンブル依存のリスクも高まります。強迫的なギャンブラーがうつ病、双極性障害、不安障害、または注意欠陥多動性障害を患っていることは珍しくありません。たとえば、双極性障害のある人は、躁病または軽い躁状態のときにリスクの高い行動をとることがよくあります。特に、判断力が損なっていて衝動性が強い人にとって、ギャンブルは確かにこのカテゴリに分類されます。躁病を患う人は、ギャンブルがもたらす幸福感と興奮に依存しやすくなります。うつ病患者の場合は、ギャンブルを自分の気分から目をそらしたり、痛みを伴う感情を癒す方法としてギャンブルを利用することが多く、自らの依存リスクを高めやすくなります。
性格の特性
特定の性格が強迫的なギャンブルのリスクの増加に関連しています。研究者は、病的なギャンブラーが本質的に衝動的な傾向があることを発見しました。さらに、30年に渡る研究では、3歳の時点で「コントロールが難しい」気質の子供は、「精神的に安定している」と考えられていた子供よりも、大人の2倍以上ギャンブル障害を起こしやすいことがわかりました。
家族の歴史
うつ病や薬物乱用など、他の多くのメンタルヘルス障害と同様に、ギャンブル依存も遺伝的要素を持っている可能性があります。ある研究では、1組の一卵性双生児のうち1人がギャンブル依存の場合、他の双子もギャンブル依存になる可能性が高いことがわかりました。このリスクは、二卵性双生児よりも一卵性双生児の方が高いという結果です。
遺伝学に加えて、家族環境もギャンブル依存の発展に寄与する可能性があります。たとえば、ギャンブル依存者の子供は、幼い頃に賭けや他のギャンブル活動にさらされることがよくあります。研究者たちは、贈り物としてスクラッチ式の宝くじを受け取ったティーンエイジャーは、後年にギャンブルに関する問題の症状を報告する可能性が高いことを発見しました。そのような贈り物は、ギャンブルが許容されるというメッセージを子供に与えます。このタイプの家庭環境では、家族が子供や青少年のギャンブル行動を後押ししている可能性があります。
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