この戦略は有名な「フィボナッチ数」に基づいています。「1→1→2→3→5→8→13→21→…」と、どの数字も「左2つの足し算が次の数字」になるというこの数式に基づいた賭け方をしていく手法です（例：21 = 左2つの数字8+13）。文章で説明するのではなく、フィボナッチ数列が実際にどのように見えるかを示していきましょう。

数列は事実上無限で、数学と科学の分野でその用途があります。自然界に現れる単純にして基本的な数列であり、例えばヒマワリの種の並びやミツバチの家系図はフィボナッチ数列を成しています。

フィボナッチ数列法を使ってルーレットに賭ける時に、何も数列の開始数字と同じ「1」から始める必要はありません。数列の論理に従う限り、好きな数字から始めることができます。この戦略法を試すときは、できるだけ低い賭け金から始めることをおすすめします。

戦略法の実際の仕組み

ルーレット戦略におけるフィボナッチ数列法は、イーブンベットで運用します。イーブンベットとは「赤黒」や「奇数・偶数」、「ハイ・ロー」のような二択の勝率が50％になる賭けのことです。インサイドベットにこの戦略使うのは賢明ではなく、ひどい結果を招く可能性もあります。フィボナッチ数列法のイーブンベットでの賭け方は簡単です。イーブンベットでどこに賭けるのかを決めたら、フィボナッチ数列に沿ってにベットしていきます。例えば、フィボナッチ数に1ドル単位で賭けるのであれば、賭け金は「1$ →1$ →2$ →3$ →5$ →8$→ 13$…」という賭け方になります。

おそらくお気付きのように、これはプレイにとって本当に良い方法ではありません。最初の賭けで勝った場合にだけ利益を得ることができます。セカンドベット、サードベットを勝ち取ることはあなたをイーブンにします。そしてそこから数列による賭けを進むにつれ、損失はますます大きくなります。ただし、心配しないでください。この方法にはこれを補って余りある利点があります。

あなたが最初の賭けで勝ったならば、単に最初から数列に沿って賭けを開始しください。フィボナッチ数列法は、2回連続の外れを次の1回の当たりで回収するようになっています。ルーレットは出目に偏りが出ることが多いので、時に外れの回数が多くなるケースはよくあります。しかし、このように2回の外れに対して1回の当たりが出れば損失を回収できるので、損失リスクは少ない方法といえます。しかし負けが続いた場合、数列の2つ前の数字まで戻ってその金額をベットするだけです。これはあなたが利益を得るまで、数列の最初に到達するまで数列をさかのぼりながら賭けをしていきます。フィボナッチ数式法を使用した場合に、10回のプレイがどのように見えるか例を示しています。

戦略法の欠陥

上記の情報を見ると戦略法は有望に思えますが、フィボナッチ数列法は他のルーレット戦略とまったく同じです。つまり長期的にはうまくいきません。では、なぜうまくいかないのでしょうか？それはどれだけ賭けるべきかを示す単なる数字の並びです。ゲームに関わる難解な情報は与えられませんし、ゲームのオッズはも変化しません。

ハウスエッジは手つかずで克服されることはありません。実はそれに気づくのが最も重要なことです。この戦略法は大負けからあなたを守ることはできません。負けを取り戻すにはかなりの運が必要です。また長い目で見れば、カジノの優位性の法が常に高く、この比較的安全な戦略法を使っていても、あなたはお金を失うことになります。

フィボナッチ数列法の基礎となる数字の配列

また、他のプログレッシブ・ベットシステムと同様に、テーブルの最大ベットサイズには注意が必要です。たとえ資金に余裕があったとしても、定めれたテーブルリミットに達してしまい、それ以上の賭け金でベットできないため、以降は損失を回収できなくなります。例えば、多くのカジノがテーブルリミットを£100前後に設定しており、フィボナッチ数列に存在する「100」に最も近い数字は「89」となります。89を賭けて勝てなかった場合は、少なくともそのテーブルでの賭けは失敗ということになります。フィボナッチ数列による11番目の数字「144」以降を戦略として使い続けることはできません。

あなた自身の資金状況が、この戦略法の実行の妨げになるかもしれません。ある時点を過ぎると、数列が示す数値はかなり大きくなります。あなたが数列の数字に沿った次の賭け金を支払う余裕がなく、現在の賭けを失うことになれば大損失になります。

フィボナッチ数式法は安全、しかし大きな勝ちは望めない

結局の所、フィボナッチ数式法は出回っている戦略法の中では比較的優れたものの一つで、非常に簡単で（ペンを持ってきて数式を書き留めていくのはそれ程の手間ではありません）、小さなベットでプレイすることを可能にし、さらにはそこそこの金額を勝ち取ることさえできます。しかし、だまされてはいけません。この戦略はゲームを攻略する方法ではありません。

フィボナッチ数列法は見た目も洗練された戦略で試してみるのも楽しいですが、実際に使用することはおすすめしません。ハウスはこの戦略に対してはほぼ常に有利になり、数学的原理だけではそれを打ち破ることができないでしょう。ところで、フィボナッチ数列はウサギの群れがどれだけ速く繁殖できるかを測定するために作られました。そんな全く関係の内容に見えるものが、時を経てギャンブルに適用されていったというのも面白い事実で、それがギャンブルで意図したようにうまくいかないのも不思議ではありません。