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インターナショナルフォーカス:アメリカのオンラインギャンブルトレンド

ヨーロッパのオンラインギャンブル業界は過去10年間で花開きましたが、アメリカのオンラインカジノはその運営に際し、多くの規制や制限に直面しました。オンラインギャンブルは一般に、アメリカ合衆国連邦法で合法とされています。ただし、各州には独自の法律と規制があるため、オンラインギャンブルは何年もの間、ほぼ「グレーゾーン」に存在しており、多くの州ではいかなる種類のインターネットギャンブルやオンラインスポーツベッティングも禁止されています。

近年、オンラインギャンブルを規制する法律の起草がすでに多くの州で始まっており、その状況は明るくなり始めています。ニュージャージー州やデラウェア州など、いくつかの州ではオンラインポーカー、オンラインカジノ、スポーツベットなどのオンラインギャンブルが合法的に運営されています。その他の重要な要素もまた米国市場の台頭に貢献しています。「プロ・アマスポーツ保護法(PASPA)」によって、アメリカでは長年にわたりスポーツベットを4州に限定していましたが、2018年5月の最高裁判所によってそれが違憲と認められ、さらに多くの州でスポーツ賭博を合法化し規制することが可能になります。

オンラインギャンブルの規制

世界的なトレンドと、技術確信とアクセスの簡単さのおかげで、多くのアメリカのプレイヤーはランドカジノからオンラインギャンブルサイトにそのプレイの場所を切り替えました。各州の法律や規制が異なるため、多くのアメリカのプレイヤーはリモートサイトでのギャンブルを余儀なくされましたが、その結果、アメリカ国内で見込めるオンラインギャンブルによる税金収入を大きく失いました。この税の損失とアメリカのギャンブル市場の拡大を理由に、多くの州がすでに市場の規制を検討し始めています。現在、ある種のオンラインカジノゲームを許可する4つの州と、2019年に合法化する可能性の高い3つの週があります。

現在オンラインカジノを許可する州は以下の通りです

デラウェア – デラウェア州は、オンラインカジノ、オンラインポーカー、スポーツベットを提供しています。

ニュージャージー – 州内のプレイヤーは、合法的にオンラインカジノゲーム、オンラインポーカー、スポーツゲームにベットすることができます。

ネバダ – ネバダ州は合法的なオンラインポーカーゲーム、スポーツベットのみを提供しています。

ペンジルベニア – この州は合法的なオンラインギャンブル、ポーカーゲーム、スポーツベットを提供しています。

2019年にニューヨーク、ミシガン、ウェストバージニアの3州がオンラインカジノの禁止を解除する予定です。それらのすべてはすでに規制法を導入しており、現在それを可決する過程にあります。

ソーシャルゲームアプリ

ソーシャルゲームはしばらく前から出回っていますが、最近さらに世界中のプレイヤー間での人気が高まっています。その大きな需要に、ますます多くのカジノがソーシャルゲームの選択肢を持ち、新しくエキサイティングな機能のために開発者と継続的に協力しています。ソーシャルゲームの急速な成長を考えれば当然のことです。appfigures.comによると、アメリカ市場におけるiPhone用の売上高トップ100アプリのうち、16のアプリは現在ソーシャルゲームです。この傾向は2019年も続き、より多くのカジノが競争に追いつこうと最新アプリを発表しています。

VR・ARカジノゲーム

バーチャル・リアリティ/VRとオーグメンテッド・リアリティ/AR(拡張現実)は、今日世界でますます一般的なテクノロジーとなり、オンラインカジノでも成功を収めたのは当然でしょう。オンラインカジノはプレイヤーに「本当にリアル」なカジノ体験を追求し続けていました。伝統的なオンラインカジノゲームもすでに素晴らしい仕事をしていますが、VRと3Dグラフィックの技術はカジノ体験を次のレベルに引き上げました。

世界的に、AR・VR市場は2022年までに1,922億米ドルに達すると予想されており、それによってオンラインカジノが新しいVR・ARソフトウェア開発に、かなりの投資を可能にすることができました。2019年の予測では、アメリカでは4290万台以上のVRと6,870万台のAR機器が販売される予定で、VR・ARカジノゲームの需要はさらに高まるでしょう。

スポーツベット

2018年にそれまでスポーツベット合法化を不可能にしていたPASPA法が米国の最高裁判所によって違法と認められ、スポーツベット市場は新たな時代を迎えました。規制法が解除されてからすでに多くの州がスポーツベットを規制法案を起草し始めています。

現在、すでに住民にスポーツベッティングを合法的に提供している12州と、もうすぐ参加すると予想されている33州があります。スポーツベットをすでに合法化した州は、ネバダ、デラウェア、ニュージャージー、ミシシッピ、テネシー、ウエストバージニア、ニューメキシコ、ペンシルバニア、ロードアイランド、アイオワです。規制解除のおかげでアメリカのプレイヤーの間でスポーツベットの人気は上がるり、それによる市場収益の急上昇を期待させるでしょう。

合法的にプレイできる州は?

成長を続けるeスポーツ

アメリカは常にゲーム文化において強い影響力を持ってきました。そのため他国同様、eスポーツが国内で非常にトレンディーになったのは当然です。ゲーミングインテリジェンスエージェンシー、NewZoo社の調査によると、世界のeスポーツ産業は2019年に11億米ドルを売り上げ、2018年と比較して26.7%の増加を予測しています。 今年にはその売上高は100万ドルに達し、eSports市場は今までで最大となるでしょう。

エンターテインメントソフトウェア協会によると、1億5000万人以上のアメリカ人がビデオゲームをプレイしており、これは人口の約半数を占めており、これらの60%以上が毎日ゲームをしています。データによると、アメリカ内のインターネットユーザーの約12%が、少なくとも1か月に1度はeスポーツを視聴しており、その数は2023年までに15.5%に増えると予想されています。主流eスポーツデベロッパーのホーム、そしていくつかの世界最大級のゲームイベントの開催地として、アメリカのeSports市場は業界を先導し続け、ここ数年で力強い成長を示すでしょう。 2022年までに6億9,110万米ドルの収益が見込まれています。

来る未来に期待できることは?

ギャンブルがアメリカで合法かどうか、その議論は常にあり、最近までそれは違法であるとの見解が一般的でした。しかし現在、多くの州がオンラインギャンブルの制限に対する課題を克服し、ギャンブル合法化に向けて進行中、または検討中にあります。 現在いくつかの州で合法化に向かっているという事実は、アメリカのオンラインギャンブル市場を今後成長させることは間違いなく、Technavio社(イギリス・ロンドンに本拠を置く世界規模で活動する大手技術調査・顧問企業)のようなマーケットリサーチャーは、2016〜2020年の間に51%以上の成長を予測しています。

アメリカのオンラインギャンブル市場は成長を続けており、この傾向は今後続くようです。3つの州がすでにオンラインギャンブル活動から集められる税収を期待しており、2019年に現在のギャンブルに関する規制を覆すでしょう。また、今後さらに多くの州がこれに続くと予想されます。これは海外サイトでプレイをせざるを得ない多くのアメリカのプレイヤーを自国のオンラインカジノに引き戻し、オンラインでギャンブルを楽しむ目的地として、アメリカの地位を取り戻すでしょう。 

 

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