宝くじ
宝くじは、日本において当せん金付証票法に基づいて発行される富くじです。古くは江戸時代などにおいて神社や寺の修復費用を集める目的で富籤(とみくじ)が発行されていた。また、日中戦争の戦費調達のために制定された臨時資金調整法に基づいて「福券」や「勝札」が発行されたこともあります。宝くじは1948年に当せん金付証票法(昭和23年法律第144号)に基づいて、地方財政資金の調達に資することを目的とするために運営されています。
日本の宝くじは昭和20年10月に産声をあげました。
庶民の夢として愛され、親しまれ、多くのファンをもつ宝くじの発売元は、宝くじの法律「当せん金付証票法」(昭和23年施行)に定められた全国都道府県と20指定都市、つまり地方自治体です。この地方自治体が、総務大臣の許可を得て発売元となり、発売等の事務を銀行等に委託しています。発売等の事務を受託した銀行等では、発売元(地方自治体)の定めた発売計画に従って、宝くじ券の図柄選定、印刷、売り場への配送、広報宣伝、売りさばき、抽せん、当せん番号の発表、当せん金の支払いなどを行います。 収益金は抽せん会終了後、時効当せん金は時効成立後、それぞれ発売元である全国都道府県及び20指定都市へ納められ、1回分の受託業務を終了します。
宝くじを過去に1度でも購入したことのある人の割合は76.4%で、そこから推計される購入経験者数は約8,115万人と、全国自治宝くじ事務協議会は発表しています。宝くじの購入経験者を属性別にみると、性別では男性が81.4%、女性が71.6%と、男性の経験率が女性に比べて高い値を示しています。
宝くじは、販売総額のうち、賞金や経費などを除いた約40%が収益金として、発売元の全国都道府県及び20指定都市へ納められ、高齢化少子化対策、防災対策、公園整備、教育及び社会福祉施設の建設改修などに使われています。
日本の宝くじ
◆宝くじの方式
現在の宝くじには大きく分けて「開封くじ」「被封くじ(スクラッチ)」「数字選択式宝くじ」と3つの方式があります。
【開封くじ】
開封くじとは、番号が印刷された券を一定の金額(1枚100~500円)で購入し、後日の抽せんで番号が一致すれば、現在100円~最高数億円の当せん金を受け取ることのできる宝くじです。1945年に発売が始まりました。ジャンボ宝くじなどはこの方式で、単に「宝くじ」といえばこの方式のくじを指します。
【被封くじ(スクラッチ)】
被封くじとは、券面に予め当たり、外れが印刷された状態で銀色のカバーがかけられて、1枚200円(回によっては100円)で売られ、購入後に硬貨などでカバーを削ると結果がわかる宝くじです。1984年より発売されています。
【数字選択式宝くじ】
数字選択式宝くじとは、一定のルールに沿った任意の番号の組み合わせを指定した券を一定の金額(1口当たり基本200円)で購入し、後で行われる抽せんで番号が一致すれば最高で8億円(2017年2月以降は10億円)の当せん金を受け取ることのできる宝くじです。同様のシステムを持つギャンブルやゲームとしてキノやビンゴがああります。
◆払い戻し率
当せん金付証票の当せん金品の金額又は価格の総額は、その発売総額の5割に相当する額に加算金を加えた額を超えてはならないとされています。2008(平成20)年度の宝くじの控除率は45.7%でした。
なお、海外の宝くじは日本より払い戻し率(および賞金)が高いものもある(欧米の一部で実質的な還元率が50%を超えるものもありますが、日本国内において海外の宝くじを販売し利益を得ることは違法です。
◆発売
委託先の銀行
当せん金付証票の作成、発売及び当せん金品の支払又は交付は、上記の区分に対応した宝くじ協議会を組織して、当該協議会が構成都道府県知事や市長の名で銀行等に委託する形となっています。
なお、数字選択式(ナンバーズ、ロト)については、発券端末とホストコンピュータがオンラインで接続されている必要があるため、販売可能な売り場は限定されています。また、一部の銀行ATMで数字選択式くじが購入が可能な所もあります。
◆未成年者の購入制限
他の公営ギャンブル(公営競技の投票券やスポーツ振興くじ=toto)とは異なり、宝くじの購入・当せん金の受け取りに法令上の年齢制限は一切ありませんが、未成年が賞金を受け取る際は保護者に支払われます。
◆抽せん
宝くじの抽せんは、公開で行われるます。会場が混雑などの物理的な理由で入場を制限されない限り、誰でも見学することが可能です。また、抽せん会にはかならず弁護士や発売自治体の職員、および銀行職員などの立会人がいます。